Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ぐびじんそう
虞美人草
Lesen Sie 虞美人草 (ぐびじんそう) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.559 Zeichen · 401 Bildschirme
不肖の子は親父の事を思い出したくない。思い出せば気の毒になる。――どうもこの画はいかん。折があったら蔵のなかへでも片づけてしまおう。……
十人は十人の因果を持つ。羹に懲りて膾を吹くは、株を守って兎を待つと、等しく一様の大律に支配せらる。白日天に中して万戸に午砲の飯を炊ぐとき、蹠下の民は褥裏に夜半太平の計熟す。甲野さんがただ一人書斎で考えている間に、母と藤尾は日本間の方で小声に話している。
「じゃあ、まだ話さないんですね」と藤尾が云う。茶の勝った節糸の袷は存外地味な代りに、長く明けた袖の後から紅絹の裏が婀娜な色を一筋なまめかす。帯に代赭の古代模様が見える。織物の名は分らぬ。
「欽吾にかい」と母が聞き直す。これもくすんだ縞物を、年相応に着こなして、腹合せの黒だけが目に着くほどに締めている。
「ええ」と応じた藤尾は
「兄さんは、まだ知らないんでしょう」と念を押す。
「まだ話さないよ」と云ったぎり、母は落ちついている。座布団の縁を捲って、
「おや、煙管はどうしたろう」と云う。
煙管は火鉢の向う側にある。長い羅宇を、逆に、親指の股に挟んで
「はい」と手取形の鉄瓶の上から渡す。