Japanische Klassiker mit Furigana
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ぐびじんそう
虞美人草
Lesen Sie 虞美人草 (ぐびじんそう) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.559 Zeichen · 401 Bildschirme
「だって見縊られているんだから、世話を焼けば喧嘩になるばかりです」
「藤尾が御前さんを見縊るなんて……」と打ち消はしとやかな母にしては比較的に大きな声であった。
「そんな事があっては第一私が済まない」と次に添えた時はもう常に復していた。
甲野さんは黙って肘を立てている。
「何か藤尾が不都合な事でもしたかい」
甲野さんは依然として額に加えた手の下から母を眺めている。
「もし不都合があったら、私から篤と云って聞かせるから、遠慮しないで、何でも話しておくれ。御互のなかで気不味い事があっちゃあ面白くないから」
額に加えた五本の指は、節長に細りして、爪の形さえ女のように華奢に出来ている。
「藤尾はたしか二十四になったんですね」
「明けて四になったのさ」
「もうどうかしなくっちゃならないでしょう」
「嫁の口かい」と母は簡単に念を押した。甲野さんは嫁とも聟とも判然した答をしない。母は云う。
「藤尾の事も、実は相談したいと思っているんだが、その前にね」
「何ですか」
右の眉はやはり手の下に隠れている。眼の光は深い。けれども鋭い点はどこにも見えぬ。
「どうだろう。もう一遍考え直してくれると好いがね」