Japanische Klassiker mit Furigana
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ぐびじんそう
虞美人草
Lesen Sie 虞美人草 (ぐびじんそう) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.559 Zeichen · 401 Bildschirme
「そりゃ慎重の……」
「まあしまいまで聞いてくれたまえ。批評はあとで緩くり聞くから。――それで僕も、君の知っている通、先生の世話には大変なったんだから、先生の云う事は何でも聞かなければ義理がわるい……」
「そりゃ悪い」
「悪いが、ほかの事と違って結婚問題は生涯の幸福に関係する大事件だから、いくら恩のある先生の命令だって、そう、おいそれと服従する訳にはいかない」
「そりゃいかない」
小野さんは、相手の顔をじろりと見た。相手は存外真面目である。話は進行する。――
「それも僕に判然たる約束をしたとか、あるいは御嬢さんに対して済まん関係でも拵らえたと云う大責任があれば、先生から催促されるまでもない。こっちから進んで、どうでも方をつけるつもりだが、実際僕はその点に関しては潔白なんだからね」
「うん潔白だ。君ほど高尚で潔白な人間はない。僕が保証する」
小野さんはまたじろりと浅井君の顔を見た。浅井君はいっこう気が着かない。話はまた進行する。――
「ところが先生の方では、頭から僕にそれだけの責任があるかのごとく見傚してしまって、そうして万事をそれから演繹してくるんだろう」
「うん」