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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぐびじんそう

虞美人草

夏目 漱石

Lesen Sie 虞美人草 (ぐびじんそう) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.559 Zeichen · 401 Bildschirme

Aozora Bunko

――大森から帰ったあとならば大抵な事が露見しても、藤尾と関係を絶つ訳には行かぬだろう。そこで井上へは約束通り物質的の補助をする。

こう思い定めている小野さんは、浅井君が快よく依頼に応じた時、まず片荷だけ卸したなと思った。

「こう日が照ると、麦の香が鼻の先へ浮いてくるようだね」と小野さんの話頭はようやく自然に触れた。

「香がするかの。僕にはいっこうにおわんが」と浅井君は丸い鼻をふんふんと云わしたが、

「時に君はやはりあのハムレットの家へ行くのか」と聞く。

「甲野の家かい。まだ行っている。今日もこれから行くんだ」と何気なく云う。

「この間京都へ行ったそうじゃな。もう帰ったか。ちと麦の香でも嗅いで来たか知らんて。――つまらんのう、あんな人間は。何だか陰気くさい顔ばかりしているじゃないか」

「そうさね」

「ああ云う人間は早く死んでくれる方が好え。だいぶ財産があるか」

「あるようだね」

「あの親類の人はどうした。学校で時々顔を見たが」

「宗近かい」

「そうそう。あの男の所へ二三日中に行こうと思っとる」

小野さんは突然留った。

「何しに」

「口を頼みにさ。できるだけ運動して置かんと駄目だからな」