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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぐびじんそう

虞美人草

夏目 漱石

Lesen Sie 虞美人草 (ぐびじんそう) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.559 Zeichen · 401 Bildschirme

Aozora Bunko

浮かび出した藻は水面で白い花をもつ。根のない事には気がつかぬ。

世界は色の世界である。ただこの色を味えば世界を味わったものである。世界の色は自己の成功につれて鮮やかに眼に映る。鮮やかなる事錦を欺くに至って生きて甲斐ある命は貴とい。小野さんの手巾には時々ヘリオトロープの香がする。

世界は色の世界である、形は色の残骸である。残骸を論って中味の旨きを解せぬものは、方円の器に拘わって、盛り上る酒の泡をどう片づけてしかるべきかを知らぬ男である。いかに見極めても皿は食われぬ。唇を着けぬ酒は気が抜ける。形式の人は、底のない道義の巵を抱いて、路頭に跼蹐している。

世界は色の世界である。いたずらに空華と云い鏡花と云う。真如の実相とは、世に容れられぬ畸形の徒が、容れられぬ恨を、黒※郷裏に晴らすための妄想である。盲人は鼎を撫でる。色が見えねばこそ形が究めたくなる。手のない盲人は撫でる事をすらあえてせぬ。ものの本体を耳目のほかに求めんとするは、手のない盲人の所作である。小野さんの机の上には花が活けてある。窓の外には柳が緑を吹く。鼻の先には金縁の眼鏡が掛かっている。

絢爛の域を超えて平淡に入るは自然の順序である。