Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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にじのはし

虹の橋

久生 十蘭

Lesen Sie 虹の橋 (にじのはし) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.038 Zeichen · 30 Bildschirme

Aozora Bunko

これまでにもいくども誘われ、そういう機会はかぞえきれないほどあった。肉体は求めていたのだろうが、ギリギリのところへ行くと、気がすすまなくてやめてしまうのは、刈込みにでも逢って、知られたくないことがあばきだされでもしたらかなわないと、それを恐れたからだった。

千代は最終のフェリーボートで帰ってくるといっていたが、翌日になっても帰らない。たぶん、そんなことになるだろうと思っていたし、スーツ・ケースが置いてあるのだから、そのうちに、ひょっくりやってくるのだろうと気にもしないでいたが、大阪新聞の兵庫版で、須田栄太郎という男と真山あさひという女が、淡路島の三熊山でブロバリンを飲んで心中したという記事を読んで、はっとした。

若槻と千代はあの日は洲本の四洲園で一泊し、翌朝、小路谷の古茂江へ行くといって宿を出、三熊山の山曲へ入ってブロバリンを飲んだというようなことらしかった。

北川千代が宿帳にあさひの名をつかったことは、仲間のあいだで金を融通しあうのと同様で、おたがいさまのことだから文句はないが、元気のいい千代が自殺するとは思いもしなかったので、虚を衝かれたようなへんな気がした。