Japanische Klassiker mit Furigana
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あぶのおれい
虻のおれい
香倶土 三鳥
Lesen Sie 虻のおれい (あぶのおれい) von 香倶土 三鳥 (かぐつちみどり) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.584 Zeichen · 6 Bildschirme
泥棒は邪魔になるので、
「こんちくしょう、こんちくしょう」
と払い除けようとしましたが、なかなか払い除けられません。
そのうちにチエ子さんは、
「お母さん、お母さん」
と叫びながら障子を開けてお縁の方に逃げて行きます。
「逃がしてなるものか」
と泥棒は一所懸命となって、とうとう虻をタタキ落として追っかけてゆきました。
そうすると虻はタタキ落とされてちょっと死んだようになりましたが、又飛び上って泥棒の足へ飛びついて力一パイ喰いつきました。
「アイタッ」
と泥棒はうしろ向きに立ち止まる拍子にお縁から足を辷らして、石の上に落っこちて頭をぶって眼をまわしてしまいました。
そのうちにチエ子さんは表へ出て、通りがかりのお巡査さんにこの事を言いましたので、泥棒はすぐに縛られてしまいました。
お母さんがお帰りになってこのお話をおききになると、涙をこぼしてチエ子さんを抱きしめておよろこびになりました。
その時にチエ子さんはお縁側を見ると一匹の虻が死んで落ちておりました。
「お母さん、御覧なさい。この間の虻が泥棒を刺したのよ。あたしが助けてやったお礼をしてくれたのよ」
と言いました。