Japanische Klassiker mit Furigana
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じゃせいのいん
蛇性の婬
田中 貢太郎
Lesen Sie 蛇性の婬 (じゃせいのいん) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 26.880 Zeichen · 54 Bildschirme
許宣はそこで李幕事の顔を見た。
「私は、これまで御厄介をかけて、こんなに大きくなりましたが、その御厄介ついでに、も一つお願いしなくてはならないことがあります、私は、結婚をしたいと思います」
「婚礼か、婚礼は大事だから、一つ考えて置こう、なあお前」
李幕事は細君の顔を見たが、それっきり婚礼のことに就いては何も云わなかった。もすこし具体的の話をしようと思っていた許宣は、もどかしかったがどうすることもできなかった。
酒がすむと李幕事は逃げるように室を出て往った。許宣はしかたなしに李幕事の返事を待つことにして待っていたが、二日経っても三日経っても何の返事もなかった。そこで許宣は姐の所へ往って云った。
「姐さん、この間のことを、兄さんと相談してくれましたか」
「まだしてないよ」
「なぜしてくれないんです」
「兄さんが忙しかったからね」
「忙しいよりも、兄さんは、私が婚礼すると、金がかかると思って、それで逃げてるのじゃないでしょうか、金のことなら大丈夫ですよ、ありますから」
許宣はそう云って袖の中から五十両の銀を出して姐の手に渡した。
「一銭も兄さんに迷惑はかけませんよ、ただ親元になって儀式をあげてもらえば宜いのですよ」