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Japanische Klassiker mit Furigana

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じゃせいのいん 

蛇性の婬 

田中 貢太郎

Lesen Sie 蛇性の婬 (じゃせいのいん) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 26.880 Zeichen · 54 Bildschirme

Aozora Bunko

と云った。豊雄は元より願うところであるが、「親兄弟に仕うる身の、おのが物とては爪髪の外なし、何を禄に迎えん便もなければ」と云った。真女児は貴郎が時どきここへ来ていっしょにいてくれるならいいと云って、金銀を餝った太刀を出して来て、これは前の夫の帯びていたものだと云ってくれた。

豊雄は真女児に是非泊ってゆけと止められたが、家へ無断で泊っては叱られるから、明日の晩泊ってもかまわないようにして来ると云って帰って来たが、朝になって兄の太郎は、地曳網のかまえをするつもりで、外へ出ようと思って豊雄の閨房の前を通りながら見ると、豊雄の枕頭に置いた太刀が消え残の灯にきらきらと光っていた。太郎は驚いて聞くと、某人からもらったものだと云った。父親も聞きつけてそこへ来、母親も来て詮議すると、直接それを云うは恥かしいと云うので、太郎の妻がそれを聞くことになった。そこで、豊雄が真女児のことを云うと、嫂は、「男子のひとり寝し給うが、兼ていとおしかりつるに、いとよきことぞ」と云ってその夜太郎に豊雄に女のできたことを話した。太郎は眉を顰めて、「この国の守の下司に、県の何某と云う人を聞かず、我家保正なればさる人の亡くなり給いしを聞えぬ事あらじを」