Japanische Klassiker mit Furigana
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かえる
蛙
林 芙美子
Lesen Sie 蛙 (かえる) von 林 芙美子 (はやしふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.691 Zeichen · 6 Bildschirme
――より江たちのお母さんは九時頃帰って来ました。
健ちゃんたちが、さっきの男のひとの話をすると、お母さんは心配そうに「ほう」といっていました。濡れた自転車を土間へ入れて健ちゃんが硝子戸に鍵をかけようとすると、さっきの蛙がまだつくばっています。
「よりちゃん、まだ蛙がいるよ。」
と、健ちゃんが蛙をつまみあげると、薄青い色をした蛙は、くの字になった両脚を強く曲げて逃げようとしました。健ちゃんは空箱の小さいのへ蛙を入れて、寝床へはいったより江の枕元へ持って行ってやりました。
より江はその箱を耳につけて、いっとき、ごそごそという蛙のけはいを愉しんでいました。
お母さんは、まだ何かお仕事のようでしたが、より江は箱を持ったまま小さい鼾をたてて眠り始めました。
翌る朝。
夜来の雨が霽れて、いいお天気でした。健ちゃんは学校へ行きました。より江は蛙がいなくなったと騒いでいました。戸外では、まぶしい程朝陽があたって、青葉は燃えるように光っていました。より江が庭でほうせん花の赤い花をとって遊んでいると、店の土間で自転車を洗っていたお母さんが、
「よりちゃんや! よりちゃん一寸おいで。