Japanische Klassiker mit Furigana
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ばんじん
蛮人
山本 周五郎
Lesen Sie 蛮人 (ばんじん) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.726 Zeichen · 13 Bildschirme
くるから……。
こんな環境にあっては人たちの感情が黙しひしがれ歪められるのは避けがたいことだ。彼らの感覚は内部へ内部へと逐いこまれる。それでなくてさえ肉体のあらゆる表面が灰に蔽われているので眼配せをすることさえできない、意志を伝えるには大きなひどく鈍い身振りをするよりほかにはないのだ、そこでますます彼らの感情は暗くなりねじ曲げられてしまう。――通りかかった誰かがそちらを見ると、彼らは石膏像のような硬い仮面をふり向けてわずかにその濁った眼を動かす、なんという気味悪い顔であろう、説明しようのない罪悪の匂いが見る者を強くうつ、今にも骨張った拳をあげて跳びかかってきそうな野獣のような感じなのだ。
男たちのなかに実際ひとりの懲役人がいた、彼は四十あまりの痩せた骨太の体つきで鈍く光る細い眼をもち、その背骨は醜く前へかがんでいた。彼の身上は他の男たちと同様にまるで知られていなかったが、殺人罪で二十年近くもどこかの刑務所にいたとかいうことである。この工場へやって来たのは一年ほど前のことで、むろん身分を隠して雇われたのだが、何かの事件で二三度そこに刑事がやって来たことから懲役人であることが分ったのだ。