Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

たこのごときもの

蛸の如きもの

豊島 与志雄

Lesen Sie 蛸の如きもの (たこのごときもの) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.085 Zeichen · 21 Bildschirme

Aozora Bunko

戦後、懐郷の念に禁じ難いものもあるであろう。だが、彼等が出て行ったあと、こんどは不行儀なことが始まる。

「ねえ、泡盛は酔いますねえ。泡盛は酔いの仕上げだ。」

縞のネクタイの結び目を乱し、縞のワイシャツを袖口から長く出してる、浅黒い顔の男である。

「ことに、ここのは本場ものですからね。」

景気のいいことを言ってるかと思うと、急にめそめそしてくる。

「あちこちで飲んで、月給を半分ほど使っちゃいましたよ。これじゃあ、女房の春の着替えも受け出せませんや。女房のやつ、何と言うかな……。南無泡盛大明神、われに知恵を授け給え、というわけで、一杯やってるんですが、酒は涙か……何とかと言って……。」

卓に顔を伏せて、ほんとに泣いてるのである。まったく、なっちゃいない。他人でなかったら殴りとばすところだ。

「泣くなと言ったって、これが泣かずにいらりょうか。はははは。」

もうけろりとしている。

「みんな帰っちゃった。僕一人を残してですよ。薄情な奴等ばかりだ。僕は孤独です。絶対に孤独です。そして悲しいんです。」

また顔を伏せてしまう。

沖繩生れの遼子が出て来て、彼の前腕に、かるく手先を添える。