Japanische Klassiker mit Furigana
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はちがだんごをこしらえるはなし
蜂が団子をこしらえる話
寺田 寅彦
Lesen Sie 蜂が団子をこしらえる話 (はちがだんごをこしらえるはなし) von 寺田 寅彦 (てらだとらひこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.564 Zeichen · 8 Bildschirme
私が見付けた時にはそれがもうほとんど毛虫だか何だか分らないような団塊になっていたが、ただその囲りから突き出た毛束によってそう考えられたのである。断えず噛みながら脚で器用に団塊を廻して行くので、始めには多少いびつであったのが、ほとんど完全な球形になってしまって、もうどこにも毛などの痕跡は見えなくなってしまった。廻す拍子に一度危なく取落そうとしてやっと取り止めた様子は滑稽であった。蜂はやがてこの団子をくわえて飛び出そうとしたが、どうしたのかもう一遍他の枝に下りた。人間ならばざっと荷物をこしらえて試みにちょっとさげてみたというような体裁であった。そしてまたしばらく噛んで丸める動作を繰り返していた。からだ全体で拍子をとるようにして小枝をゆさぶりながらせっせと働いているところは見るも勇ましい健気なものであった。渋色をした小さな身体が精悍の気ではち切れそうに見えた。二、三分もすると急に飛び上がって一文字に投げるように隣家の屋根をすれすれに越して見えなくなってしまった。
私は毛虫にこういう強敵のある事は全く知らなかったので、この目前の出来事からかなり強い印象を受けた。