Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
くものゆめ
蜘蛛の夢
岡本 綺堂
Lesen Sie 蜘蛛の夢 (くものゆめ) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 147.189 Zeichen · 298 Bildschirme
それは無理だといろいろに賺しても宥めても、お安は肯かない。かれは顔色を変えて、さながら駄駄ッ子か気違いのように迫るのである。四郎兵衛も年が若いので、しまいには我慢が出来なくなった。
「これほど言って聞かせても判らなければ、勝手にしろ。」
「勝手にします。あたしは死にます。」
二人は睨み合って別れた。それから幾日かの後に、お安は喜多屋から突然に姿を消した。まさかに死んだのではあるまいと思いながらも、四郎兵衛はあまりいい心持がしなかった。その後に甚五郎に会った時に、彼はお安に手古摺った話をすると、甚五郎は笑った。
「それは困ったろう。あの絵は偉い人のところに納まっているのだから、取返せるものではない。しかし不思議なことがある。あれを描いた絵師はこのあいだ頓死をしたよ。お安に執殺されたのかな。」
絵師の死はお安が喜多屋を立去ったのちの出来事であるのを知って、四郎兵衛は又もや忌な心持になった。
「今度はお互いの番だ。気をつけなければなるまいよ。」と、甚五郎はまた笑った。四郎兵衛は笑ってもいられなかった。
しかもその後に何事も起らず、四郎兵衛はお夏という娘を貰って無事に暮らしていた。