Japanische Klassiker mit Furigana
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くものゆめ
蜘蛛の夢
岡本 綺堂
Lesen Sie 蜘蛛の夢 (くものゆめ) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 147.189 Zeichen · 298 Bildschirme
老人も磯貝のあとを追っ掛けて、無理無体に含満ヶ渕の寂しいところまで連れて行き、娘を凌辱したる罪を激しく責め、その償いに貴様の命をわたすか、但しはこの時鳥を慈悲心鳥として更に三千円の飼養料を払うかと、腕まくりの凄まじい権幕に談判し、磯貝がこれだけで勘弁してくれと百円ほど入れたる紙入れを突き出したるに、彼は怒ってずたずたに引裂いて捨て、磯貝が更に金時計を差し出したるに、これも石に叩きつけて打毀し、どうでも三千円を渡せと罵るところへ、かの小牧が突然に飛び込みて一言の問答にも及ばず、すぐに磯貝を絞め殺してしまいたり。これには六兵衛も呆気にとられて少しぼんやりと突っ立っていたるが、自分の眼のまえに倒れている磯貝の死骸をみると、彼は俄かに言い知れぬ恐怖におそわれ、掴んでいたる雛鳥を投げ捨てて、これも早々に逃げ帰りしなり。これらの事情判明して六兵衛はゆるされ、小牧は捕わる。まことに不思議の出来事だと田島さんはいう。
真の犯人が逮捕されるまでは、この事件に関する新聞の記事を差止められていたが、あしたからは差止め解禁となって何でも自由にかけると田島さんは大得意なり。