Japanische Klassiker mit Furigana
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くものゆめ
蜘蛛の夢
岡本 綺堂
Lesen Sie 蜘蛛の夢 (くものゆめ) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 147.189 Zeichen · 298 Bildschirme
「しかし幽霊になって訴えるくらいなら、なぜ早く訴えなかったのだろう。そうしてまた、舞台の上に現れるにも及ぶまいじゃないか。」
「そこにはまた、理屈がある。土工らは旅びとを殺して、その死体の始末をするときに、こうして置けば誰も覚る気づかいはない。包孝粛のような偉い人が再び世に出たら知らず、さもなければとても裁判は出来まいといって、みんなが大きい声で笑ったそうだ。それを旅びとの幽霊というのか、魂というのか、ともかくも旅びとの死体が聴いていて、今度ここの劇場で包孝粛の芝居を上演したのを機会に、その名判官の前に姿を現したのだろうというのだ。土工らも余計なことをしゃべったばかりに、みごと幽霊に復讐されたわけさ。シナにはこんな怪談は幾らもあるが、包孝粛は遠いむかしの人だからどうすることも出来ない。そこで幽霊がそれに扮する俳優の前に現れたというのはちょっと面白いじゃないか。いや、話はこれからだんだんに面白くなるのだ。」
K君は茶をすすりながらにやにや笑っていた。雨はいよいよ本降りになったらしく、岸の柳が枯れかかった葉を音もなしに振るい落しているのもわびしかった。