Japanische Klassiker mit Furigana
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くものゆめ
蜘蛛の夢
岡本 綺堂
Lesen Sie 蜘蛛の夢 (くものゆめ) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 147.189 Zeichen · 298 Bildschirme
この七人が三組に分れた。第一組は弥次兵衛と助左衛門、第二の組は権九郎と小五八、第三の組は伝十郎と甚七で、茂左衛門一人はこの次郎兵衛後家の家に残っていることになった。要するにここを本陣として、誰か一人は留守居をしていなければならないというので、最年少者の茂左衛門がその留守番を申付けられたのである。組々の侍には村の若者が案内者として二人ずつ附添い、都合四人ずつが一組となってここを出発する頃には、夜もいよいよ更けて来て、暗い大空はこの村の上に重く掩いかかっていた。
留守番はもちろん不平であったが、茂左衛門は年の若いだけに我慢しなければならなかった。土間にころがしてある切株に腰をかけて、彼は黙って表の闇を睨んでいると、おもよは湯を汲んで来てくれた。
「御苦労さまでござります。」
「大勢がいろいろ世話になるな。」と、茂左衛門はその湯をのみながら言った。それが口切りとなって、おもよは海馬の話をはじめた。茂左衛門も心得のためにいろいろのことを訊いた。
「ここの女房は飛んだ災難に逢って、気の毒であったな。」
「まことに飛んだ目に逢いましてござります。」と、おもよは眼をうるませた。