Japanische Klassiker mit Furigana
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とししゅん
蜘蛛の糸・杜子春
Lesen Sie 蜘蛛の糸・杜子春 (とししゅん) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 24.703 Zeichen · 52 Bildschirme
が、そのため息がまだ消えない内に、今度は彼の坐っている前へ、金の鎧を着下した、身の丈三丈もあろうという、厳かな神将が現れました。神将は手に三叉の戟を持っていましたが、いきなりその戟の切先を杜子春の胸もとへ向けながら、眼を嗔らせて叱りつけるのを聞けば、
「こら、その方は一体何物だ。この峨眉山という山は、天地開闢の昔から、おれが住居をしている所だぞ。それも憚らずたった一人、ここへ足を踏み入れるとは、よもや唯の人間ではあるまい。さあ命が惜しかったら、一刻も早く返答しろ」と言うのです。
しかし杜子春は老人の言葉通り、黙然と口を噤んでいました。
「返事をしないか。――しないな。好し。しなければ、しないで勝手にしろ。その代りおれの眷属たちが、その方をずたずたに斬ってしまうぞ」
神将は戟を高く挙げて、向うの山の空を招きました。その途端に闇がさっと裂けると、驚いたことには無数の神兵が、雲の如く空に充満ちて、それが皆槍や刀をきらめかせながら、今にもここへ一なだれに攻め寄せようとしているのです。
この景色を見た杜子春は、思わずあっと叫びそうにしましたが、すぐに又鉄冠子の言葉を思い出して、一生懸命に黙っていました。