Japanische Klassiker mit Furigana
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とししゅん
蜘蛛の糸・杜子春
Lesen Sie 蜘蛛の糸・杜子春 (とししゅん) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 24.703 Zeichen · 52 Bildschirme
元より人跡の絶えた山ですから、あたりはしんと静まり返って、やっと耳にはいるものは、後の絶壁に生えている、曲りくねった一株の松が、こうこうと夜風に鳴る音だけです。
二人がこの岩の上に来ると、鉄冠子は杜子春を絶壁の下に坐らせて、
「おれはこれから天上へ行って、西王母に御眼にかかって来るから、お前はその間ここに坐って、おれの帰るのを待っているが好い。多分おれがいなくなると、いろいろな魔性が現れて、お前をたぶらかそうとするだろうが、たといどんなことが起ろうとも、決して声を出すのではないぞ。もし一言でも口を利いたら、お前は到底仙人にはなれないものだと覚悟をしろ。好いか。天地が裂けても、黙っているのだぞ」と言いました。
「大丈夫です。決して声なぞは出しません。命がなくなっても、黙っています」
「そうか。それを聞いて、おれも安心した。ではおれは行って来るから」
老人は杜子春に別れを告げると、又あの竹杖に跨って、夜目にも削ったような山々の空へ、一文字に消えてしまいました。
杜子春はたった一人、岩の上に坐ったまま、静に星を眺めていました。するとかれこれ半時ばかり経って、深山の夜気が肌寒く薄い着物に透り出した頃、突然空中に声があって、