Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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われはうたえども やぶれかぶれ

蜜のあわれ・われはうたえども やぶれかぶれ

室生 犀星

Lesen Sie 蜜のあわれ・われはうたえども やぶれかぶれ (われはうたえども やぶれかぶれ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 45.726 Zeichen · 90 Bildschirme

Aozora Bunko

君までが騒いで迎えに来ては乗客の注意が益々私に集中して来るではないか。僕はこれから今一度あそこにはいるのだ。洗面所で顔でも洗ってからさっぱりしてから這入るが、君は何食わぬ顔つきで目立たぬように座席に戻ってくれと彼女をかえした。私は機会を待つのだ、おしっこがしたくなりじーんと来る軽度のしびれを待つのだ、実にばかばかしい話だが此のばかばかしい焦りが人間には、避けることの出来ない悪い病いとなって、永い間多くの年月をへし潰さなければならないのだ、何処の誰が健康であっても次にくる奴はこの碌でもない悪あがきなのだ、私は顔を洗ってから今日はという軽い気分という奴で、扉の内部にはいるとカチンと鍵を下ろした。すると靴ずれの音がして私が出て行くのを早くも待つ人がいた。一人か二人かわからないが、多分一人らしく靴ずれが次第に感情を交えてざくざく聴えて来た。私は内部から人間がいるということを知らせるために、扉をがーんと一つ引っぱたいて急ぐなという言葉のかわりにそれを表現した。併し表側ではまさかと思っていたのに直ぐこつこつと叩き返して来た。早く出てくれという表示であった。このこつこつと叩かれた時から私はまただめになって、扉の外に出た。