Japanische Klassiker mit Furigana
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われはうたえども やぶれかぶれ
蜜のあわれ・われはうたえども やぶれかぶれ
室生 犀星
Lesen Sie 蜜のあわれ・われはうたえども やぶれかぶれ (われはうたえども やぶれかぶれ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 45.726 Zeichen · 90 Bildschirme
そしてどの人も尿の瓶を提げなければならないし、この大瓶にためて置くことを命じられていて、お互に尿瓶をさげていても恥かしい思いはしなかった。自分の小便を提げるということには社会では可笑しい話なのだが、ここでは尿量を自ら点検し色感を判読することに依ってわれわれ患者の、到底他人にはして貰えないしごとを自分でしていたのだ。
どの患者の量よりも少ない私の尿は、大瓶の底のほうに黄衣のすそを見るように乏しいものであったと書けば、なかなかに尿にも美観はあるが、実際は子供のおしっこくらいしかなかった。極端に水分をとらない私は後架にひんぱんに通うことがいやなのと、一度にちょっぴりしか出ない悲劇を此処でもくり返していた。いま這入ったかと思うと直ぐに出て来たり、廊下を帰りかけながらまた後架に取って返したり、少時ははばかりの周囲をうろつくのが常であった。残尿が描く尿意のはたらきは残酷に私をあやつり、殆ど何分も経たないあいだに同じ所作を反芻しなければならなかった。乏しい尿を見て私は自分に絶望し、他人が勇敢に多量のそれを行うのを隣の便器でそれを知る時、その人のしあわせがむねに来た。