Japanische Klassiker mit Furigana
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われはうたえども やぶれかぶれ
蜜のあわれ・われはうたえども やぶれかぶれ
室生 犀星
Lesen Sie 蜜のあわれ・われはうたえども やぶれかぶれ (われはうたえども やぶれかぶれ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 45.726 Zeichen · 90 Bildschirme
、宇野に出会い熱心にからだを洗っているのを見うけた。それは洗っていたというより腰とか胸とかを、一心にみがいていると言った方がよかった。足なら足の一ところを叮嚀周到にタオルと石鹸を当てがい、わき見もしないでこすっていたそうだった。山本がひとなみの時間に入浴を済してあがろうとしても、わが宇野浩二はようやく胸をあらい始め、何時も後に残っていっかなあがる気色は見せなかった。しかも山本とはかなり前に入浴している時間があったのだ。今日は会いそうな日だと何物かを感じていると、わが宇野浩二はちゃんと先着していて熱烈にからだをみがいていた。それに、も一つ驚いたことは湯舟の中にはいっている間に、宇野はすっぽりと顔ごと湯の中にはまり込んで、やがてぶるんぶるんをして顔を持ちあげると、こんどは頭のてっぺんに湯にひたしたタオルで、ぴちゃぴちゃ叩くようにして湯加減を満喫していることであった。湯は夕刻であるから清潔であるとはいえないが、宇野浩二はそのようにして洗っては湯につかり、湯舟からあがると再び黄金をみがくように五体のすみずみまで、洗いそそいで山本さんがいてもそれには関係なく、ぶるんぶるんも遂行するそうであった。