Japanische Klassiker mit Furigana
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われはうたえども やぶれかぶれ
蜜のあわれ・われはうたえども やぶれかぶれ
室生 犀星
Lesen Sie 蜜のあわれ・われはうたえども やぶれかぶれ (われはうたえども やぶれかぶれ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 45.726 Zeichen · 90 Bildschirme
たとえば、患者さんが取ってお置きになっても結局明日か明後日になれば、取り棄てるよう仰言るにちがいございません。誰でもその瞬間にはそういうお気持になるものでしょうが、それも、ほんの一時間くらいのあいだでしょうと彼女は言った。その時私は井荻看護婦に説明してもわかりにくいことを考えていた。つまり私の毛その物よりも、この物が永い間私のからだにあったことの、余情の容易ならざることをつたえたかった。つまり今の今まであたためられていた奴を人手に渡す前にちょっとこれを見入ってから、では、あとかたもなく焼かれたまえと言うほどのそんな気を井荻に話したかったのだ。井荻は間もなく奥テル子に言ったそうだ。物を書く方なんてもっとお立派なことを考えていらっしゃると思っていたのに、何時も人間の鏡にならないことばかりを考えていらっしゃる。あれで作家なんて呆れたもんだと言った。これにも私は説明しにくい細かさが心にあったが説く機会がなかった。
その日から勿論食慾のない舌は自分の舌でない借り物のように硬くなり、私はわめいた。こんどはもっと酷くなったぞ、このあんばいだと閉尿よりも苦痛が倍加しているようだと、誰にいうとなく独り言をいった。