Japanische Klassiker mit Furigana
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こうもり
蝙蝠
岡本 かの子
Lesen Sie 蝙蝠 (こうもり) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.107 Zeichen · 23 Bildschirme
するとお涌は却って気丈になって
「あ、ま、そうおう」
と少し誇張したいい方をして、美しく眉を皺め、籠の中を覗き込んだ。
十二の男の子と、十一の少女とは、やや苦しく、しかも今までにまだ覚えたことのない仄明るいものを共通に感じつつ、眼はうつろに、鸚鵡籠の底に、片翅折り畳めないでうずくまっている小動物に向けていた。
その翌日、日比野の女中が、水引をかけた菓子折の箱を持って、蝙蝠を貰った礼を云いにお涌の家へ来た。それから二日ばかり経って日比野の母親から、お八つを差上げ度いからお涌に遊びに来るようにと招きがあった。
皆三が十七になり、お涌が十六になった春、皆三は水産講習所に入って、好きな水産動物の研究に従うことになった。皆三はよほど人並に高等学校から大学の道を通って進もうと思った。が、自分のはいっている中学の理科の教師でTという老学士が水産講習所の講師を主職にしているので、その縁に牽かれてそこへはいった。皆三は、このT老学士には、中学校の師弟以上の親密な指導を受けていた。T老学士は、中学生にして稀に見る動物学というような専門的な科学に好みを寄せる皆三を、努めて引立てた。