Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
はえ
蠅
海野 十三
Lesen Sie 蠅 (はえ) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 19.774 Zeichen · 40 Bildschirme
しかしよく見ると、その怪物は大きな翅があった。鏡のような眼があった。鉄骨のような肢があって、それに兵士の剣のような鋭い毛がところきらわず生えていた。私はそのときやっとのことで、その怪物の正体に気がついた。
「ああ、こいつは、私の先刻殺した蠅の仔なのだ」
仔蠅にしては、何という大きな巨獣(?)になったのであろうか。
その恐ろしい仔蠅は、しずしずと私の方に躙りよってきた。眼玉が探照灯のようにクルクルと廻転した。地鳴りのような怪音が、その翅のあたりから聞えてきた。蓮池のような口吻が、醜くゆがむと共に、異臭のある粘液がタラタラと垂れた。
「ぎゃーッ」
私の頭の上から、そのムカムカする蓮池が逆さまになって降って来たのだ。私の横腹は、銃剣のような蠅の爪でプスリと刺しとおされた。
「ぎゃーッ。――」
そこで私は何にも判らなくなってしまった。その仔蠅に食われたことだけ判っていた。不思議にも、何時までも何時までも記憶の中にハッキリ凍りついて残っていた。