Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
はえおとこ
蠅男
海野 十三
Lesen Sie 蠅男 (はえおとこ) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 118.129 Zeichen · 237 Bildschirme
そうなると、話は俄然おもしろいが、まさか君も、流行のお定宗でもあるまいネ」
帆村はそれを聞くと、胸をちょっと張っていささか得意な顔つきで、
「だが検事さん。あのドクトル邸は、ドクトル一人しかいなかったと仰有っていますが、事件前後に、若い女があの邸内にいたことを御存じですか」
「ナニ若い女が居た――若い女が居たというのかネ。それは君、本当か。――」
村松検事は、冗談でない顔付になって、帆村の顔を穴の明くほど見つめた。
探偵眼
そこで帆村は、屍体発見当日、手洗所の鏡の前に、フランス製の白粉が滾れていたことなどを検事のために話して聞かせた。
「そうかい、そういう若い女が、この陰鬱な邸内にいたとは愕いたネ」
と、村松検事は、首をうなだれてやや考えていたが、やがて首をムックリ起すと、可笑しそうにクスクス笑いだした。
「なにがそんなに可笑しいのです」
「だって君、脅迫状の主は、蠅男だよ。いいかネ。蠅男であって、あくまで蠅女ではないんだよ。若い女がいてもいい。これがドクトル殺しの犯人だとは思えないさ」
「でも検事さん。さっき仰有ったように、この蠅男なる人物は、偽りの旅行中の看板をかけるような悧巧な人間なんですよ。