Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

はえおとこ

蠅男

海野 十三

Lesen Sie 蠅男 (はえおとこ) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 118.129 Zeichen · 237 Bildschirme

Aozora Bunko

他殺か、自殺か?

すると、正木署長が叫んだ。

「おお血や、血や」

「ナニ血だって? 縊死に出血は変だネ」

と村松検事は屍体を見上げた。そのとき彼は愕きの声をあげた。

「うむ、頭だ頭だ。後頭部に穴が明いていて、そこから出血しているようだ」

「なんですって」

人々は検事の指す方を見た。なるほど後頭部に傷口が見える。

「オイ誰か踏台を持ってこい」検事が叫んだ。

帆村探偵に抱かれていた糸子は、間もなく気がついた。そのとき彼女は低い声でこんなことを云った。

「――貴郎、なんで書斎へ入ってやったン、ええ?」

「ええッ、書斎へ――何時、誰が――」

意外な問に帆村がそれを聞きかえすと、糸子は呀っと声をあげて帆村の顔を見た。そして非常に愕きの色を現わして、帆村の身体をつきのけた。

「――私、何も云えしまへん」

そういったなり糸子は沈黙してしまった。いくら帆村が尋ねても、彼女は応えようとしなかった。そこへ奥女中のお松が駈けつけてきて、帆村にかわって糸子を劬った。

警官たちに遅れていた帆村は、そこで始めて惨劇の演ぜられた室内に入ることができた。

「ほう、これはどうもひどい。――」

彼とてもこの場の慄然たる光景に、思わず声をあげた。