Japanische Klassiker mit Furigana
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ちぬられたかいとう
血ぬられた懐刀
国枝 史郎
Lesen Sie 血ぬられた懐刀 (ちぬられたかいとう) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 35.586 Zeichen · 71 Bildschirme
単なる漁色的の動物であった。つつましい清浄なお紅という処女は、ほんの少し前に消えたのである。
しかし漁色の動物は、お紅一人ではないのであった。
あの近東の回教国の、密房に則って作ったところの、この奇形な建物の内には、同じような部屋が幾個かあって、その部屋々々には漁色狂の女が、無数に籠められて居るらしい。その証拠には四方八方から、極めて遠々しくはあったけれど、…………を柱へでも投げつけるらしい、物の音などが聞こえてきた。
みだらな唄声なども聞こえてくる。
だがお紅には聞こえなかった。
掻きむしられるような…………が、身心をメラメラと焼き立てる。その…………を消し止めようと、お紅は夢中で争っている。
しかし絶対に勝ち難かった。次第々々に負けて来た。とうとうお紅は打ちのめされた。
「妾は…………! 最初に来た人へ!」
桃色の薄衣を退けようとする。そうしてお紅は立ち上ろうとした。そうしてお紅は叫ぼうとした。
「お婆さんお婆さん出して下さい! そうでなかったら連れて来て下さい!」
で、お紅は泣き出した。
で、もし誰か異性の一人が、ここの寝部屋へ入り込んだならば、お紅は…………。