Japanische Klassiker mit Furigana
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ちまんだらしちょうぶし
血曼陀羅紙帳武士
国枝 史郎
Lesen Sie 血曼陀羅紙帳武士 (ちまんだらしちょうぶし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.970 Zeichen · 176 Bildschirme
んの何んの頼母様は、わたしにとっては恋以上のお方! ……救世主! ……おおおお、でも、この妾の心! ああやっぱり恋かしら? ……恋なら恋でままよ! その恋ひたむきにとげるまでよ! ……吠いたな小娘! 頼母様とは将来を誓約った仲と! ……まことなりや、その仲裂かいで置こうか! ……汝を殺してエーッ」
と、バッと蔽いかかろうとした。
紙帳の外は修羅場
瞬間、白光が、二人の間を裁断った。
地に置いてあった抜き身を取り上げ、左門が二人の間へ突き出したのであった。
「待て! ……さりながら、純情と純情! ……ハーッ」
と、太い息をした。
五郎蔵の贔屓を受けていながら、五郎蔵を裏切り天国の剣を持ち出し、頼母に渡そうとしたこと、邪まの所業には相違なかったが、生命をかけての頼母への執着ぶりから云えば、お浦の想い、純情といわずして何んだろう。
左門のような人間をして、腹の底から笑わせた栞の無邪気さ! その栞の頼母への恋が、純情であることはいうまでもなかった。
その純情と純情とが、狭い紙帳の中で、今や噛み合おうとしているのであった。
(俺には扱い兼ねる)
左門は太い息をしたのである。