Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ちまんだらしちょうぶし

血曼陀羅紙帳武士

国枝 史郎

Lesen Sie 血曼陀羅紙帳武士 (ちまんだらしちょうぶし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.970 Zeichen · 176 Bildschirme

Aozora Bunko

(大人と子供といおうか。世には恐ろしい奴があればあるものだ)

この時娘が、

「野中の道了様へお詣りに参りましたところ、あなた様が気絶をしておいでなさいましたので、ご介抱申し上げたのでございます。でも正気づかれて、ほんとうに嬉しゅうございます」

と云った。細々としていて、優しい、それでいて寂しみの籠もっている声であった。

頼母は娘の顔へ眼をやり、

「忝けのうございました。おかげをもちまして、命びろいいたしました」と云ったが、(何んだ俺はまだ寝ているではないか)と気づき、起き上がろうとした。しかし、倒れた時、体をひどく打ったらしく、節々が痛んで、なかなか起き上がれなかった。

「いえいえ、そのままでおいでなさいませ。お寝ったままで。どうせそのお体では、すぐにご出立は出来ますまい。むさくるしい所ではございますが、妾の家で、二、三日ご逗留し、ご養生なさいませ。いえいえご遠慮には及びませぬ。よく妾の家へは、旅のお武家様がお立ち寄りでございます。父が大変喜びますので。でも、家は一里ほど離れておりますので、お徒歩いではお困りでございましょう。乳母がおりますゆえ、町へやり、駕籠をひろわせて参りましょう。