Japanische Klassiker mit Furigana
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ちまんだらしちょうぶし
血曼陀羅紙帳武士
国枝 史郎
Lesen Sie 血曼陀羅紙帳武士 (ちまんだらしちょうぶし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.970 Zeichen · 176 Bildschirme
美しい女子ではあり、先方から参ったものではありして、拙者、遠慮なく、労り、介抱いたし……女子も満足いたしたかして眠ってござる。……しかるにその女子、貴殿が姓名を宣られるや、眼覚め、叫びましたのう。『頼母様でございますか、妾はお浦でございます。……部屋を取り違えてこんな目に』と。……さては、お浦という女子、貴殿の恋人そうな。……気の毒や、拙者、貴殿の恋人を……」
ここで左門は例の含み笑いをしたが、
「それにいたしても、不思議のことがござったよ。……そのお浦という女子、天国の剣を所持し参ったことじゃ。……おお、そうそう、そういえば、そのお浦儀、夢の中で『頼母様、天国様を持って参りました』と叫びましたっけ。……さては、貴殿へお渡ししようため、天国を持参したものと見える。……今もお浦儀、その天国を、大事そうに抱いて寝てござる」
こう云って来て左門は、お浦がああ叫んで立ち上がったところを、一当てあてて気絶させ、気絶したお浦が、刀箱の上へ仆れた姿を、脳裡へ描き出した。
「天国の剣を欲しがるは拙者で、貴殿ではない筈。その理由は申すまでもござるまい。……拙者といたしては、天国の剣をもって、貴殿はじめ、伊東家の一族を、族滅いたしたいのでござる。