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Japanische Klassiker mit Furigana

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ちまんだらしちょうぶし

血曼陀羅紙帳武士

国枝 史郎

Lesen Sie 血曼陀羅紙帳武士 (ちまんだらしちょうぶし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.970 Zeichen · 176 Bildschirme

Aozora Bunko

止どめは、天国の剣で致しまする」

つまり左門は、頼母の血を、亡父の怨恨の残っている紙帳へ注いでやろうと、紙帳間近まで、頼母を誘き寄せて来たのであった。

そうと知らない頼母は不幸であった。自分の気勢に圧せられて逃げる左門、たかが知れている! もう一息だ! こう思った頼母は不幸であった。

微塵になれ! と、頼母は、縁へ躍り上がり、斬り付けた。

「あッ」

左門の姿が消え、眼前に紙帳が、風に煽られたかのように、戦いでいた。

(部屋の中へ逃げ込んだのだな)

頼母は突嗟に思った。

(紙帳の中へはいった筈はない。……では、背後に?)

さすがに用心をし、頼母はソロソロと部屋の中へはいって行った。敷居を跨ぎ左右を見た。正面三、四尺の間隔を置いて、紙帳が釣ってあり、その左右は闇であり、闇の彼方には、部屋の壁が立っている筈であった。……左門の姿はどこにも見えなかった。

(紙帳の背後に隠れているのか、それとも、左右どっちかの、紙帳の横手に、身をひそめているのか?)

頼母は、紙帳を巡って、敵を討とうと決心しながらも、右へ行こうか、左へ行こうかと迷った。しかしとうとう、左手へ心を配りながら、右の方へ進んだ。