Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ちまんだらしちょうぶし
血曼陀羅紙帳武士
国枝 史郎
Lesen Sie 血曼陀羅紙帳武士 (ちまんだらしちょうぶし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.970 Zeichen · 176 Bildschirme
娘が供えた線香の煙りであった。煙りの裾、碑の前に、つつましく屈み、合掌しているのが娘で、その姿が、数本の小松に遮られていたので、かえって趣き深く眺められた。
「絵だ」と、頼母は、娘の赤味の勝った帯などへ眼をやりながら、呟いた。
古屋敷の古浪人
乳母が雇って来た駕籠に乗り、頼母が、娘の家へ行ったのは、それから間もなくのことで、娘の家は、府中から一里ほど離れたところにあった。鋲打ちの門や土塀などに囲まれた、それは広大い屋敷であったが、いかにも古く、住人も少ないかして、森閑としていた。頼母は、古びた衝立ての置いてある玄関から、奥へ通された。
さて、この日が暮れ、夜が更けた時、屋敷の一間から、話し声が聞こえて来た。
畳も古く、襖も古く、広いが取り柄の客間に、一基の燭台が置いてあったが、その灯の下で、四人の武士が、酒を飲み飲み、雑談しているのであった。
「我輩は、ここへ逗留して三日になるが、主人薪左衛門殿の姿を見たことがない。気がかりともいえれば不都合ともいえるな」と云ったのは、頬に刀傷のある、三十五、六の、片岡という武士で、片手を枕にして、寝そべっていた。