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Japanische Klassiker mit Furigana

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こうじん

行人

夏目 漱石

Lesen Sie 行人 (こうじん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 224.801 Zeichen · 452 Bildschirme

Aozora Bunko

他人の自分はなおさらであった。

けれどもこの場合自分はまず彼の入院に驚かされていた。その上に胃の上の氷嚢でまた驚かされた。自分はそれまで氷嚢は頭か心臓の上でなければ載せるものでないとばかり信じていたのである。自分はぴくんぴくんと脈を打つ氷嚢を見つめて厭な心持になった。枕元に坐っていればいるほど、付景気の言葉がだんだん出なくなって来た。

三沢は看護婦に命じて氷菓子を取らせた。自分がその一杯に手を着けているうちに、彼は残る一杯を食うといい出した。自分は薬と定食以外にそんなものを口にするのは好くなかろうと思ってとめにかかった。すると三沢は怒った。

「君は一杯の氷菓子を消化するのに、どのくらい強壮な胃が必要だと思うのか」と真面目な顔をして議論を仕かけた。自分は実のところ何にも知らないのである。看護婦は、よかろうけれども念のためだからと云って、わざわざ医局へ聞きに行った。そうして少量なら差支ないという許可を得て来た。

自分は便所に行くとき三沢に知れないように看護婦を呼んで、あの人の病気は全体何というんだと聞いて見た。看護婦はおおかた胃が悪いんだろうと答えた。