Japanische Klassiker mit Furigana
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まちはふるさと
街はふるさと
Lesen Sie 街はふるさと (まちはふるさと) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 193.435 Zeichen · 389 Bildschirme
安心して、本棚の奥へ押しこんだ。
社をでるとき、穂積のところへ挨拶にいくと、穂積は彼にささやいた。
「青木さんが悲愴な顔で出かけたがね。たぶん心当りへ探しにでたんだな。ぼくはさッき社長に呼びつけられてさ。噂をまいた張本人みたいにこッぴどく叱られたんだが、社長が君に独力で探してこいという気持は分るけど、ムリだな。青木さんは彼女の私事にも通じてるだろうし、君が先に見つかりッこないぜ。ぼくが青木さんに話しておいてあげるよ。彼女を見つけても、その功を君にゆずるように、とね。まア、あんまりキチョウメンに探しまわらずに、遊びがてらの気持で、ゆっくりやりたまえ」
放二の健康を気づかってくれたのである。
青木と記代子のことは、もとより放二も知っていた。当然なことであるから、穂積はせつ子のように見えすいた隠し立てはしなかった。
「ええ、一通り探してみようと思います」
こう答えると、穂積は苦笑して、
「なに、生きてるものなら、探すこたアないよ。君のからだが大事だぜ。死んでるものなら、警察の領分さ。とびまわるのは、青木さんだけで、タクサンだ」
哲学科出身のこの男は、日本式のプラグマチズムを身につけて、煩瑣なことには一向に動じなかった。