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Japanische Klassiker mit Furigana

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まちはふるさと

街はふるさと

坂口 安吾

Lesen Sie 街はふるさと (まちはふるさと) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 193.435 Zeichen · 389 Bildschirme

Aozora Bunko

「さよなら」

と言いすてると、ふりむいて、去ってしまった。

そんな出来事が昨夜あった。しかし、それぐらいのことで今日もまだ腹を立てているとは思われない。一しょに熱海へ来る筈だったが、三時間待っても記代子がこない。急用ができたのだろうと放二は思った。そして、熱海駅ですれちがった時にも、何か都合があるのだろうと思い、汽車の時間があるので急いで行ってしまったのだろうと、なんのコダワリもなく考えていた。

二

「一しょに熱海へくるはずでしたけど、東京駅でお会いできなかったのです。ぼくが時刻をまちがえてお待ちしていたのでしょう。三時間待って、熱海へついたら、帰られる記代子さんとすれちがったのです」

こだわるイワレがあろうとは思われないから、放二は思った通りのことを言った。

しかし長平は意外に冷めたく、とりあわなかった。

「記代子は君に会いたくないと言っていたのだよ」

「ハア」

「君たち二人の私事に強いてふれたいとも思わないが、同じ社の仲間同士反目しても、つまらん話さ。とりわけぼくに親しい御両氏が睨み合ってたんじゃ、ぼくも助からんからな」

「ええ」

たかが放二をアパートまで送ってくれるというのを拒絶したぐらいのことで、記代子がそんなに腹を立てゝいるというのは意外である。