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Japanische Klassiker mit Furigana

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まちはふるさと

街はふるさと

坂口 安吾

Lesen Sie 街はふるさと (まちはふるさと) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 193.435 Zeichen · 389 Bildschirme

Aozora Bunko

彼は京都の長平の閑居へ早朝に辿りつくと、まるでわが家のように落ちつきはらって、

「なア。長平さんや。こうして古都の静かな侘び住居で、あんたの顔を見ると、なつかしいなア。余らも老いたり、と思うよ。もっとも、あんたは、老いて益々若い気持かも知れないがね」

自ら小女にビールを命じ、自分で栓をぬき、二つのコップについで、グッと一息にのみほした。

「ヤア、うまい。これが、人生だ。なア、長さん。人生は、たった、これだけのもんだよ。オレが、三四ヶ月前に東京でようやく君をとッつかまえた時にさ、別れぎわに、こう言ったのを覚えているかい。そのうち、一度、京都へ訪ねて行くぜ。なんのためだかオレも知らないけどさ、そのときは、門前払いはカンベンしておくれよな、と言ったのさ。人間は自ら予言するものさ。いや、結局、自分の予感だけの人生しか生きることができないのだな。しかし、そんなことは、どうだっていゝんだ。こうやって、ビールをのむだろう。すると、ほかのことなんか、実にとるにも足らないことになってしまうのさ。なア、キミ。ぼくは、いま、一つのことを悟ったのさ。曰く、老境ですよ。老いて、益々迷い深し。