Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
はだかぎ
裸木
豊島 与志雄
Lesen Sie 裸木 (はだかぎ) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.049 Zeichen · 33 Bildschirme
」
「…………」
佐野は苦笑した。
「愉快なもんだね。」
「ほう、そんなに気に入ったのかい。」
「ああ、すっかり気に入っちゃった。」
「まあー、何を云っていらっしゃるの。」
「いや本当ですよ。佐野君なんか、家に子供がいるんだから、ふらふら出歩かなくったって、子供の寝顔でも見てる方が、よっぽどいいんだがな。」
「そんなら賛成よ、わたしも。あなた、どう……。」
「つまらないことを……。いやでも毎日見なくちゃならないじゃないか。」
「そう……義務となっちゃあ……駄目かな。」
「あら、義務じゃありませんよ。自然の情愛なんですもの。」
「そうです。義務は悪かった。」
「そんなこと、どうだっていいじゃないか。つまらない……。」
「うん、どうだっていい。」
冗談のような真剣のような、一寸掴みどころのないものが、武田の調子に現われていた。佐野と敏子とは、何となく武田の顔を見守った。
敏子が席を外すと、佐野は武田の方へ近々と視線を寄せた。
「あれから……こないだと、気持が変ったようだね。」
「僕が……変りゃしないよ。」
武田は口を尖らせて見返してきた。
「然し、あの時はひどく君は陰気だったが……。