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Japanische Klassiker mit Furigana

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『さいゆうき』のゆめ

『西遊記』の夢

中谷 宇吉郎

Lesen Sie 『西遊記』の夢 (『さいゆうき』のゆめ) von 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.947 Zeichen · 18 Bildschirme

Aozora Bunko

クルック・タグの山麓には、海面下千呎の深地がある。かつての鹹湖は今は大部分涸渇して、塩床の峻しい砂礫地である。この完全に人間の世界から隔絶された不毛の荒野を行くうちに、旅人は気圧計の針がだんだん昇って行って、遂に自分が、海面下千呎のところにいることを知るであろう。「北側の山麓は広漠たる乾燥した砂礫の斜面で、その縁にそって、極度に不毛の丘陵が崛起」している。その砂岩と礫岩とより成る赤裸の山肌は、無人の境にあって「見るからに毒々しく真赤に照り映えている。」そしてそれは昔から土地の支那人の間に「火の山」と呼ばれていたのである。それこそは活火山などよりも、もっと本当な火の山なのであろう。

玄奘法師は、その十七年の長い旅の首途において既に、この北の沙漠に路を失い水に渇え、命からがら哈密のオアシスに辿り着いたのだそうである。

「毒風肌を切る」葱嶺をこえるに当って、玄奘は「竜王の潜む大竜池」のほとりを通っている。それは、紺碧の「無限の深淵」なのである。スタインによれば、今のグレートパミール河の水源地ヴィクトリア湖がそれであるという。スタインが其処を訪れた時は、標高一万四千呎の湖面を氷のような寒風が吹いていた。