Japanische Klassiker mit Furigana
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さいかくとかがく
西鶴と科学
寺田 寅彦
Lesen Sie 西鶴と科学 (さいかくとかがく) von 寺田 寅彦 (てらだとらひこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.913 Zeichen · 20 Bildschirme
などと云っている。どんな行きつまった世の中でもオリジナルなアイディアさえあればいくらでも金儲けの道はあるというのが現代のヤンキー商人のモットーであるが、この事を元禄の昔に西鶴が道破しているのである。木綿をきり売りの手拭を下谷の天神で売出した男の話は神宮外苑のパン、サイダー売りを想わせ、『諸国咄』の終りにある、江戸中の町を歩いて落ちた金や金物を拾い集めた男の話は、近年隅田川口の泥ざらえで儲けた人の話を想い出させて面白い。これの高じたものが沈没船引上げの魂胆となるのである。
大して金儲けには関係はないが、『織留』の中にある猫の蚤取法や、咽喉にささった釣針を外ずす法なども独創的巧智の例として挙げたものと見られる。
それはとにかく西鶴のオリジナリティーの尊重の中にも、西鶴の中の科学的な要素の一つを認めることが出来るかと思われる。
次には、『桜陰比事』に最も明白に現われている西鶴の「探偵趣味」とも称すべきものが、これもまたある意味では西鶴の中の科学者の面貌を露出したものと云われるであろう。尤もこの短篇探偵小説における判官の方法は甚だしく直観的要素の勝ったもので解析的論理的な要素には乏しいと云わねばならないが、しかし現代科学の研究法の中にも実はこの直観的要素が極めて重要なものであって、これなしには科学の本質的な進歩