Japanische Klassiker mit Furigana
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おやというにじ
親という二字
Lesen Sie 親という二字 (おやというにじ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.004 Zeichen · 7 Bildschirme
「ちょっと、旦那、書いてくれや。」
おどおどして、そうして、どこかずるそうな、顔もからだもひどく小さい爺さんだ。大酒飲みに違いない、と私は同類の敏感で、ひとめ見て断じた。顔の皮膚が蒼く荒んで、鼻が赤い。
私は無言で首肯いてベンチから立ち上り、郵便局備附けの硯箱のほうへ行く。貯金通帳と、払戻し用紙(かれはそれを、うけ出しの紙と言っている)それから、ハンコと、三つを示され、そうして、「書いてくれや」と言われたら、あとは何も聞かずともわかる。
「いくら?」
「四拾円。」
私はその払戻し用紙に四拾円也としたため、それから通帳の番号、住所、氏名を書き記す。通帳には旧住所の青森市何町何番地というのに棒が引かれて、新住所の北津軽郡金木町何某方というのがその傍に書き込まれていた。青森市で焼かれてこちらへ移って来たひとかも知れないと安易に推量したが、果してそれは当っていた。そうして、氏名は、
竹内トキ
となっていた。女房の通帳かしら、くらいに思っていたが、しかし、それは違っていた。
かれは、それを窓口に差出し、また私と並んでベンチに腰かけて、しばらくすると、別の窓口から現金支払い係りの局員が、