Japanische Klassiker mit Furigana
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おやかたコブセ
親方コブセ
金 史良
Lesen Sie 親方コブセ (おやかたコブセ) von 金 史良 (きむさりゃん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.006 Zeichen · 16 Bildschirme
老婆が一人、喉元から叫んで送る人達を少しばかりわらわしただけである。「お前さん達もう博奕はやらんことだかんな!」
しかし彼等は依然と黙したままあい寄りつつ遠くへ消えて行く。その時見送人の中で誰かが、通りの方へ振り向いて、「よう、頑張れ、朴沢、頑張れ!」と叫び出したので、一同振り返ってみると、丁度マラソンの先鋒が通りかかるところだった。男達や幾人かの女が乗り出して声々に応援しはじめた。
「厳ちゃん、頑張れ! 頑張れ!」
「馬川さん、頑張れよう!」
「玉村! 玉村! 頑張れ!」
「X市の孫、だらしねえぞ!」
すると四五番目の男が私達を見付けるなり、息をはあはあ切らせながらこちらの方へやって来た。と同時に、他の選手達も二人三人と抜けて来て、目をむき息苦しげな声で呻いた。
「奴等今頃行くのかえ?」
私達はマラソン選手達もまじえて、彼等南進者の群の影が見えなくなるまで再び目送し出した。次第にマラソン選手達も多く棄権して駆け寄って来る。と、突然向うから親方コブセの小さな体が、両手をひらひらさせながら一目散に駆けて来るのが見えた。どうしてか非常に夢中の様子である。が、いよいよ入口にさしかかった時、守衛に見付かり腕を掴れて傍の詰所へ投げ込まれた。