Japanische Klassiker mit Furigana
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おやどりことり
親鳥子鳥
佐々木 邦
Lesen Sie 親鳥子鳥 (おやどりことり) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.828 Zeichen · 181 Bildschirme
「僕も散髪だ。一緒に行こう」
「けれども僕は郵便局へ寄ってこの小包を出すよ」
「宜いとも。附き合おう」
と僕は連れ立った。
「君は散髪屋の競争を知っているかい?」
「知らない。何うしたんだい?」
「今度直ぐそこに一軒出来たろう? あれと河口と競争さ」
と文一君が教えてくれた。
「然うかい。あの親方のことだから大騒ぎだろう?」
「先方は贔屓の金持に資本を出して貰っているんだね。ブルジョアとプロレタリヤの争闘だと言っている」
「豪いことを知っているね」
「あれでも上海まで洋行して来たんだからね」
「それは然うと何うだい?」
「些っとも駄目だよ。数学を一通りやったばかりだ」
「到頭やっちゃったのかい? 豪いな」
と話題は例によって受験準備のことになる。
「ここだよ、今度の散髪屋は」
「ナカナカ大きいね。河口よりも立派だ」
「それで躍起になるのさ。僕達は昔から河口だから河口を贔屓にしてやる」
「無論さ」
「しかしそんなに伸しちゃ贔屓にならないぜ」
「これから月に一度ずつ行ってやる」
「皆で二度ずつ行ってやれば河口が勝つに定っているんだけれども、然うは髪が伸びない」
その河口の前へ差しかかった時、