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Japanische Klassiker mit Furigana

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おやどりことり

親鳥子鳥

佐々木 邦

Lesen Sie 親鳥子鳥 (おやどりことり) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.828 Zeichen · 181 Bildschirme

Aozora Bunko

首が抜けちゃった」

と僕は援兵を求めた。

「よしよし」

と文一君は承知して、

「何と書きます」

「今の通りで結構です。けれども後悔しているなんて書かないで下さいよ。然う何本もあやまり証文を取られちゃ溜らない」

とお上さんは僕を睨んだ。

「何処ですか? 行先は」

と文一君は表からかかった。

「御殿場踏切」

「皆踏切ですね」

「コウさん」

「さあ、何のコウだろう?」

「コウ二郎ですよ」

「苗字はないんですか?」

「あるには相違ありませんが、存じませんよ」

「職業は?」

「大工」

「皆大工ですな」

「亭主は大工、私はヨイトマケ」

とお上さんは節をつけて言った。

「大工職幸二郎としましょう」

と文一君は初めの方は僕の書いた通り認めて、

「……尚お先日のことは何とも申訳無之、お目もじの上万々お詫び申上可く候」

と読み聞かせた。

「あやまる約束だね。馬鹿にしていらあ」

「他に書きようはありませんよ。何しろ主人ですからな」

「主人主人ってお言いだが、私は坊っちゃん達のお母さんとは違うよ。亭主野郎を一疋養っているんだから、あやまる筋なんか些っともない」

「それじゃ消します」

「消しちゃ失敬だろう? それぐらいのことは知っているよ。