Japanische Klassiker mit Furigana
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おやどりことり
親鳥子鳥
佐々木 邦
Lesen Sie 親鳥子鳥 (おやどりことり) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.828 Zeichen · 181 Bildschirme
「一寸真似をしたばかりにひどい目に遭った」
とお父さんは胸から膝を拭いている。
「罰が当ったんですよ」
と僕は聊か溜飲を下げたが、
「奇抜だったのね、兄さんは。矢っ張り逆立ち歩きがお上手な筈だわ」
と郁子に冷かされた。
「お母さん、大人は徳ね」
と今まで黙っていた千代子がこの時初めて感想を洩らした。
「何故?」
「だってお父さんなんかあんなにお行儀が悪くても些っとも叱られないんですもの」
「お父さん、少しお気をつけ下さいよ。千代子が苦情を言っていますよ」
とお母さんは笑いながら窘めなければならなかった。
「はいはい。恐れ入りました」
とお父さんがお辞儀をしたので、浩二は、
「やあいやあい!」
と囃し立て、姉さん達もそれに和して快活な笑い声を揚げた。斯うなると最早敵も味方もない。
僕の家はいつもこの通り賑かだ。夕御飯が済んでも、お父さんは葉巻を一本薫し尽すまで、何彼と子供の相手になって他愛がない。子供を煩さがりながらも、斯うやっている間に頭が休まるという。それへ縁側続きの隠居から年寄が来て加わるのが例になっている。昨夜もお祖父さんは刻限を違えず、
「賑かだね。何か面白いことがあるかな?」