Japanische Klassiker mit Furigana
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おやどりことり
親鳥子鳥
佐々木 邦
Lesen Sie 親鳥子鳥 (おやどりことり) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.828 Zeichen · 181 Bildschirme
そこで私は妙案を思いつきましたよ」
「何ういう妙案ですか?」
「退っ引きなく手術を受けさせる妙案です。私は次男へ電報を打ってやりました。『俺が手術をしてやる。明日立つ』とは何うです?」
「成程、お父さんの手術なら退っ引きなりませんな」
「いや、私は痔の手術ではこれまで度々失策っています。次男も私にやられちゃ危いと思うだろうと考えついて、一つ驚かして見たのです。すると案の定、『入院した。来るに及ばぬ』と直ぐに返電が参りました。野郎、手のものを置いて入院したんですな。親父の腕前を能く知っていますよ」
と佐久間さんは笑っていた。
「医者の不養生」という諺があるが、佐久間さんはそれを否定しない。
「養生の為めの生活ですか? 生活の為めの養生ですか?」
と理窟をつける。この辺が共鳴すると見えて、お父さんと話が合う。猛烈な喫煙家で、以前は一銭蒸汽という綽名がついていた。これはいつも煙を吐いているという意味だそうだ。始終太い葉巻をくわえている。酒もナカナカ飲む。夕刻電話をかけると、
「先生は唯今手の放せないことをしていられますから、後刻伺います」
と書生が答える。まさか晩酌中だとも言えない。