Japanische Klassiker mit Furigana
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おやどりことり
親鳥子鳥
佐々木 邦
Lesen Sie 親鳥子鳥 (おやどりことり) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.828 Zeichen · 181 Bildschirme
可なり意志の強い人でないと手足がなくなってしまいます。人類自滅でしょう? それですから苦痛は矢張り自家を防衛する自然の武器ですよ」
「成程、理窟ですな」
とお父さんも拠ろない。
「時に大内さん、私は長年各階級の患者を取扱った結果、この問題について面白い事実を発見しています」
「何ういうことですか?」
「苦痛は富の程度に正比例するという真理です」
「ははあ」
「よくしたもので、同程度の病気にかかった金持と貧乏人では、金持の方が遥かに余計に苦みます。金持は平常不自由をしませんから、忍耐力が弱くなっています。八度になると起きていられません。然るに貧乏人は困苦欠乏に慣れていますから、病気に強いです。八度ぐらいなら気がつかずにいます。九度あっても歩いて来て、寒い玄関に待っています。それで案外障りませんぜ。恢復力も至って早いです」
「矢張り天の配剤ですかな?」
「然うですとも、それで華族さんが一番弱いことになります。これは精神的にも物質的にも金持ですから、二重に苦みます。しかし貧乏華族と来たら不思議ですな。馬鹿に強いです。労働者跣足です」
「私のところは強い方ですか、弱い方ですか」