Japanische Klassiker mit Furigana
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おやどりことり
親鳥子鳥
佐々木 邦
Lesen Sie 親鳥子鳥 (おやどりことり) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.828 Zeichen · 181 Bildschirme
「あの男は確か俺よりは五つ六つ上だよ。身体が弱くて出世が早く止まったが、その分地面で大儲けをしている。二三年前に会った時にもう骨と皮ばかりだった。金で命を買っていたようなものさ」
と綺麗に諦めのつくのもある。大将でも少将でも、先に生れたものが先に死ぬのは当前のことである。しかし時には何かの間違いで、ずっと少壮の後輩がポックリ逝く。然ういう折には、
「四十五ぐらいでは若死だが、こればかりは何うも仕方がない。矢張りそれまでの約束ごとだったろう」
と老少不定を役に立てる。こんな具合で、上が死んでも下が死んでもそれ相応の説明をつけて悟りを開いているが、自分と同年輩のものが死ぬと急に慌て出す。然ういう人の葬式から帰って来た時は、
「今度は俺の番かも知れない」
と冗談のように仰有る。殊に先日の神沢中将は入魂の間柄だったから、ひどく答えたようだった。
丈夫だといっても年寄は先が見えている。何彼につけて急き立てられるような心持がするに相違ない。僕はお祖父さんお祖母さんを観察して、時には心細かろうと察している。去年の秋、門の側の椎の木が風で折れて代りを植える必要の起った折も、傍で見ていて、ツクヅク老齢の淋しさを感じさせられた。