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Japanische Klassiker mit Furigana

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おやどりことり

親鳥子鳥

佐々木 邦

Lesen Sie 親鳥子鳥 (おやどりことり) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.828 Zeichen · 181 Bildschirme

Aozora Bunko

「そんなものがあるんですか?」

「あるとも。松屋で売っている。当分はあれで誤魔化せる」

「そんなものを塗ってまでもお若く見せたいんですかね?」

「いや、これは親孝行さ。俺の頭が白くなると、お父さんお母さんは自分達の年の寄ったのを痛切に感じる。そこでいつまでも黒く見せて置く。親を老込ませないようにという苦心の窮策さ」

「へへえ、結構な親孝行でございますわね。カッフェなぞへ行ってもお若く見えましょうから、一挙両得で自然励みが出ますわね」

とお母さんは冷やかした。

つい話が横道に外れて年寄論になってしまったが、年越しの晩だから堪忍して戴く。さて、隠居へ戻ったお祖父さんは間もなく羽織袴に身を固め、一升桝の中に豆を一杯入れて現れた。浩二は弓張提燈を持って案内についている。これがやりたくて、指折り数えて待っていたのである。妹達は皆立ち上った。

「絹子さん、あなたもお拾いなさいよ」

と敏子が勧めたけれど、

「私、拝見致しますわ」

と絹子さんは辞退した。妙齢の淑女がまさか座敷へ腹這いになって豆を拾う次第にも行くまい。

「玄関から撒くかな?」

とお祖父さんは一同を顧みた。

「提燈持ちは先よ」