Japanische Klassiker mit Furigana
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おやどりことり
親鳥子鳥
佐々木 邦
Lesen Sie 親鳥子鳥 (おやどりことり) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.828 Zeichen · 181 Bildschirme
「それは大に書きますよ」
「例えば地理の試験に北極の動物を十挙げろという問題が出たら、君は何う書く?」
「そんな簡単な問題は出ませんよ」
「いや、仮りにさ。完全に出来なかった場合、然るべく書く方式の研究をするのさ。北極には何んな動物がいるね?」
「然うですな。海豹と猟虎です」
「未だいるだろう? 十だぜ」
「白狐」
「それで漸く三つだ。三点しか取れない」
「北極熊」
「四点」
「もう思いつきません」
「四点じゃ落第だ。もっと考えて見る。それでも駄目だったら、北極熊四頭、白狐二疋、海豹二疋、猟虎二疋と書き給え」
「何あんだ。人を馬鹿にしている」
「いや、これはイヨイヨ切羽詰まった折の要領さ。動物の名前を四つ書いて後を余白にして置けば一目瞭然四点と定ってしまう。間違いっこない。しかし今のようにして置くと、兎に角賑かだから五点貰えないとも限らない」
「まさか」
「いや、入学試験の時には何千枚という答案を見るんだから、採点者も好い加減頭が馬鹿になっている。つい釣り込まれて、二疋に二疋……と勘定ぐらいするぜ。同じ四点を取るにしても余計な労力をかけてやれば腹癒せになる。元来試験官と受験者は氷炭相容れない。